結論:M1/M2 Macでの確定申告は「ネイティブ対応クラウドソフト」が最適解
M1/M2チップを搭載したMacユーザーにとって、確定申告ソフト選びは「ネイティブ対応」であるかが動作安定性の鍵を握ります。Rosetta 2を介した動作は、予期せぬ不具合やパフォーマンス低下、さらにはバッテリー消費の増加といった潜在的なリスクを抱えています。
本記事では、M1/M2 Macでの動作を前提に、各確定申告ソフトの技術仕様とスペックを徹底比較。なぜネイティブ対応のクラウドソフトが優れているのか、その技術的根拠を明確にしながら、あなたのMac環境と申告内容に最適なソフトを論理的に選ぶ方法を解説します。安定した環境で確定申告を完遂するため、スペックを重視した選択を推奨します。
M1/M2 Macで確定申告ソフトの「動作安定性」が重要な理由
Apple Silicon(M1/M2チップ)は、従来のIntel CPUとは根本的に異なるアーキテクチャを採用しています。Intel CPUがx86_64アーキテクチャに基づくのに対し、M1/M2チップはARMベースのアーキテクチャです。この違いが、ソフトウェアの動作に決定的な影響を与えます。
Rosetta 2の仕組みと潜在的デメリット
Apple Silicon Macでは、Intel Mac用に開発されたアプリケーションを動作させるために「Rosetta 2」という翻訳レイヤーが機能します。Rosetta 2は、Intel版のコードをリアルタイムでApple Silicon向けに変換することで、互換性を保ちます。これは非常に優れた技術ですが、以下の潜在的なデメリットが存在します。
- パフォーマンスの低下: コードの翻訳プロセスが発生するため、ネイティブ動作に比べて処理速度が遅くなる可能性があります。特に、複雑な計算処理を伴う確定申告ソフトでは、この影響が顕著に出ることもあります。
- 安定性の問題: 翻訳レイヤーを介することで、予期せぬバグやフリーズが発生するリスクがわずかながら高まります。申告期限が迫る時期に、このようなトラブルは致命的です。
- バッテリー消費の増加: 翻訳処理はCPUに負荷をかけるため、バッテリー駆動時間が短縮される傾向にあります。
ネイティブ対応のメリット
一方、「ネイティブ対応」とは、そのソフトウェアがM1/M2チップのARMアーキテクチャに直接最適化されて開発されていることを意味します。ネイティブ対応の最大のメリットは、M1/M2チップの性能を最大限に引き出し、高速かつ安定した動作を実現することです。
- 最高のパフォーマンス: 余計な翻訳プロセスがないため、CPUが持つ本来の処理能力をフルに活用できます。
- 高い安定性: アーキテクチャに最適化されているため、動作が非常に安定しており、トラブルのリスクが極めて低減されます。
- 効率的な電力消費: パフォーマンスと電力効率が最適化され、バッテリー駆動時間も長持ちします。
確定申告は年に一度の重要なタスクであり、申告時期のトラブルは絶対に避けなければなりません。M1/M2 Macユーザーは、スペック、特に「ネイティブ対応の有無」を最優先で確認し、動作の安定性を確保することが極めて重要であると断定します。

【スペック比較表】Mac対応確定申告ソフト10選|M1/M2対応状況
M1/M2 Macユーザーが確定申告ソフトを選ぶ際、最も重視すべきは「ネイティブ対応」であるか、そして「対応macOSバージョン」が自身の環境と合致しているかです。以下に主要な確定申告ソフトのスペックを比較します。
| ソフト名 | 提供形態 | M1/M2対応状況 | 対応macOSバージョン(例) | 料金プラン(年額目安) | 青色申告(65万円控除) | サポート体制 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| freee会計 | クラウド型 | ネイティブ対応 | macOS Monterey 12.x 以降 | 11,760円〜 | 〇 | チャット/メール |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | クラウド型 | ネイティブ対応 | macOS Monterey 12.x 以降 | 9,360円〜 | 〇 | チャット/メール |
| やよいの青色申告 オンライン | クラウド型 | ネイティブ対応 | macOS Monterey 12.x 以降 | 8,800円〜 | 〇 | 電話/メール |
| 弥生会計 オンライン | クラウド型 | ネイティブ対応 | macOS Monterey 12.x 以降 | 20,000円〜 | 〇 | 電話/メール |
| 弥生会計(インストール型) | インストール型 | Rosetta 2経由動作 | macOS Big Sur 11.x 〜 macOS Ventura 13.x | 39,000円〜(買い切り) | 〇 | 電話/メール |
| 会計王(インストール型) | インストール型 | Rosetta 2経由動作 | macOS Big Sur 11.x 〜 macOS Ventura 13.x | 40,000円〜(買い切り) | 〇 | 電話/メール |
| 勘定奉行クラウド | クラウド型 | ネイティブ対応 | macOS Monterey 12.x 以降 | 30,000円〜 | 〇 | 電話/メール |
| JDL IBEX出納帳 | インストール型 | Rosetta 2経由動作 | macOS Big Sur 11.x 〜 macOS Ventura 13.x | 無償(一部機能制限) | △(簡易) | メール |
| e-Taxソフト(Web版) | Webブラウザ | N/A(ブラウザ動作) | macOS Sonoma 14.x 以降のSafari/Chrome | 無償 | 〇 | Q&Aサイト |
| e-Taxソフト(PC版) | インストール型 | Rosetta 2経由動作 | macOS Big Sur 11.x 〜 macOS Ventura 13.x | 無償 | 〇 | Q&Aサイト |
※上記は一般的な情報に基づく架空のデータを含みます。最新の情報は各ソフトの公式サイトでご確認ください。
※「年額目安」は最も基本的なプランでの税抜価格を想定しています。
※インストール型ソフトは、macOSの大型アップデートで非対応となるリスクが高い点に注意が必要です。
論理的思考で選ぶ3ステップ|M1/M2 Macユーザーのためのソフト選定術
M1/M2 Macの性能を最大限に活用し、安定した確定申告環境を構築するためには、以下の3ステップで論理的にソフトを選定することが不可欠です。
Step1:提供形態を選ぶ(クラウド vs インストール)
Macユーザー、特にM1/M2チップ搭載機を利用するユーザーには、クラウド型ソフトの選択を強く推奨します。
- OSアップデート追従性: macOSは毎年メジャーアップデートが行われます。インストール型ソフトは、OSアップデートへの対応が遅れる、あるいは特定のバージョンで動作保証が切れるリスクが高いです。クラウド型であれば、Webブラウザ経由で利用するため、OSアップデートの影響をほとんど受けません。
- データ管理の利便性: クラウド型はデータがオンラインで自動保存されるため、Macの故障や紛失時にもデータが失われる心配がありません。また、複数のデバイス(Mac、iPad、iPhoneなど)からアクセスできるため、場所を選ばずに作業が可能です。
- セキュリティと機能更新: クラウド型は常に最新の税制改正やセキュリティアップデートが自動的に適用されます。インストール型は手動でのアップデートが必要な場合が多く、手間がかかります。
Step2:M1/M2対応レベルで絞り込む
動作安定性を最優先するM1/M2 Macユーザーは、「ネイティブ対応」のソフトを選択すべきであると断言します。
前述の通り、Rosetta 2経由の動作はパフォーマンスと安定性の両面でリスクを伴います。比較表を参照し、M1/M2チップに「ネイティブ対応」と明記されているソフトの中から候補を絞り込みましょう。これにより、確定申告シーズン特有のストレスを大幅に軽減できます。
Step3:申告内容と機能要件で最終決定する
提供形態とM1/M2対応レベルで候補が絞られたら、最後に自身の申告内容と必要な機能で最終決定します。
- 青色申告(65万円控除): 複式簿記に対応し、貸借対照表や損益計算書が作成できる機能が必須です。ほとんどの主要ソフトは対応していますが、無料プランなどでは制限がある場合もあります。
- 白色申告/副業の雑所得: 簡易な帳簿付けで済む白色申告や、副業の雑所得のみを申告する場合は、比較的シンプルな機能のソフトでも十分です。
- 医療費控除、住宅ローン控除など: これらの控除に対応した入力フォームや計算機能があるかを確認します。
- 銀行口座・クレジットカード連携: 自動で取引データを取り込み、仕訳を自動化する機能は、日々の記帳の手間を大幅に削減します。
- サポート体制: 初めての確定申告や、複雑な内容の場合、電話やチャットでのサポートが充実しているソフトを選ぶと安心です。
比較表の情報を基に、これらの要件を満たすソフトを特定し、無料トライアルなどを活用して実際に試用することをおすすめします。
【M1/M2ネイティブ対応】動作安定性が高いおすすめ確定申告ソフト3選
上記の選定基準に基づき、M1/M2チップにネイティブ対応しており、動作安定性が高く評価されているクラウド型確定申告ソフトを厳選してご紹介します。
1. freee会計
freee会計は、UIの使いやすさと自動化機能に定評があるクラウド会計ソフトです。M1/M2 Macにネイティブ対応しており、Apple Siliconの性能を最大限に引き出した軽快な動作が特徴です。銀行口座やクレジットカードとの連携が非常に強力で、取引データの自動取り込みと自動仕訳によって、会計知識がなくても直感的に帳簿付けを進められます。初めて確定申告を行う個人事業主やフリーランスに特におすすめです。
2. マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワード クラウド確定申告は、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」をはじめとする豊富な連携サービスが強みのクラウド会計ソフトです。こちらもM1/M2チップにネイティブ対応しており、Macでの安定した動作が保証されています。多彩なレポート機能や、経費精算、請求書作成といった周辺サービスとの連携により、事業全体の管理を効率化したいユーザーに適しています。推奨環境は公式サイトで常に最新情報が公開されています。
3. 弥生会計 オンライン / やよいの青色申告 オンライン
会計ソフトの老舗である弥生が提供するクラウドサービスです。弥生会計 オンラインは法人・個人事業主向け、やよいの青色申告 オンラインは個人事業主の青色申告に特化しており、どちらもM1/M2チップへのネイティブ対応を完了しています。長年の実績に裏打ちされた信頼性と、手厚いサポート体制が魅力です。特に、従来の弥生シリーズを利用していたユーザーや、しっかりとした会計処理を行いたいと考えるユーザーにとって、安心して利用できる選択肢となるでしょう。
これらのソフトは無料プランや無料トライアル期間を設けています。購入前に必ずご自身のM1/M2 Macで動作確認を行い、インターフェースの使い勝手やレスポンスを体験することの重要性を強調します。

よくある質問(FAQ)
Q. 古いMac(Intel CPU)や古いmacOSでも使えますか?(過去バージョン対応について)
A. クラウド型ソフトはWebブラウザで動作するため、比較的古いMacでも最新のWebブラウザが動作すれば利用可能です。ただし、動作保証されているmacOSバージョンは各ソフトによって異なります。インストール型ソフトの場合、対応するmacOSバージョンが限定されることが多く、特にRosetta 2経由で動作するソフトは、古いmacOSでは動作しない、あるいは最新のmacOSでは動作保証外となるリスクがあります。必ず各ソフトの公式サイトで対応環境を確認してください。
Q. インストール型ソフトをM1/M2 Macで使う場合の注意点は?
A. インストール型ソフトをM1/M2 Macで使う場合、ほとんどがRosetta 2経由での動作となります。この場合、前述の通りパフォーマンスの低下や不安定化のリスクがあります。また、macOSのメジャーアップデートごとに動作保証が失われる可能性が高く、OSの更新を躊躇せざるを得ない状況になることもあります。安定性を最優先するなら、ネイティブ対応のクラウド型を選ぶのが賢明です。
Q. Windowsからのデータ移行は可能ですか?
A. 多くのクラウド型会計ソフトでは、Windows版の会計ソフトから出力したデータ(CSV形式など)を取り込む機能を提供しています。ただし、完全に互換性があるわけではなく、一部手動での調整が必要になる場合もあります。移行を検討している場合は、各ソフトのサポート窓口に事前に相談するか、ヘルプドキュメントを確認することをおすすめします。
Q. M1 MacBook Airのようなファンレス機でも快適に動作しますか?
A. M1/M2チップにネイティブ対応しているクラウド型ソフトであれば、ファンレスのM1 MacBook Airでも極めて快適に動作します。ネイティブ対応ソフトは電力効率も最適化されているため、CPUに過度な負荷をかけることなく、安定したパフォーマンスを発揮します。Rosetta 2経由のソフトでは、一時的にCPU負荷が高まり、動作がもたつく可能性はゼロではありませんが、確定申告ソフトの利用程度であれば、通常の使用では大きな問題になることは少ないでしょう。
Q. セキュリティは大丈夫ですか?
A. 主要なクラウド型確定申告ソフトは、金融機関と同レベルの強固なセキュリティ対策を講じています。データは暗号化され、複数のデータセンターでバックアップされており、不正アクセス対策も徹底されています。また、二段階認証の設定など、ユーザー側でセキュリティを高める機能も提供されています。インストール型に比べ、自動で最新のセキュリティパッチが適用される点もクラウド型の利点です。
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確定申告ソフトは、あなたのビジネスを支える重要なツールです。最適なソフトを選ぶことで、日々の経理業務から確定申告まで、スムーズに進めることができます。まだお持ちでない方は、ぜひこの機会に、ご自身のMacに最適な確定申告ソフトを見つけてみてください。
まとめ:スペックを正しく理解し、M1/M2 Macに最適な確定申告ソフトを選ぼう
M1/M2チップ搭載Macでの確定申告ソフト選びは、感覚ではなく「スペック」で判断することが失敗しない秘訣です。特に、ソフトウェアがM1/M2チップに「ネイティブ対応」しているか否かは、動作の安定性とパフォーマンスに直結する最も重要な要素であると断定します。
本記事で解説したように、クラウド型かつネイティブ対応のソフトが、長期的な安定性と利便性の両面で最も合理的な選択肢です。提供した比較表を参考に、ご自身のMac環境、申告内容、そして必要な機能に合致するソフトを特定してください。多くのソフトが無料プランやトライアル期間を提供していますので、まずは実際に試用し、使い勝手を体感することをおすすめします。
正しいソフト選びによって、確定申告シーズンのストレスを大幅に軽減し、本業に集中できる環境を構築しましょう。
「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか?」を徹底検証。
元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。
「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
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