e-Taxで確定申告を無事に完了させた後、「あれ?ふるさと納税の寄付金額、間違って入力したかも…」と気づいた時の焦りは想像に難くありません。特に、せっかく節税のために行ったふるさと納税で、入力ミスがあったとなれば、不安も募るでしょう。
【結論からお伝えすると】一度税務署に受理された確定申告の内容を、電話やメールなどで簡単に訂正する方法は存在しません。税務署のシステムに登録された申告内容は、法的な記録として扱われるため、軽微な修正であっても所定の手続きが必要です。
正しい手続きは、主に「修正申告」と「更正の請求」の2種類のみです。この記事では、あなたの状況に合わせた正しい訂正方法と、e-Taxでの具体的な手続き手順を、専門的かつ論理的に解説します。この記事を読めば、入力ミスに動じることなく、落ち着いて対処できるようになるでしょう。
【結論】修正申告以外の迅速な訂正方法は存在しない理由
なぜ、e-Taxで受理された申告内容を、電話一本で訂正できないのでしょうか。その理由は、税務署に受理された申告データが法的な記録となるためです。確定申告は、納税者が自らの所得と納税額を確定させる重要な手続きであり、その内容が安易に変更されてしまうと、税の公平性や信頼性が損なわれてしまいます。
申告期限内であっても、ふるさと納税の寄付金控除額が変動し、結果として納税額に影響が出るような間違いは、単なる再提出(訂正申告)では済みません。原則として「修正申告」または「更正の請求」の対象となります。これは、納税額の増減を伴う変更には、税務署側での厳密な審査と処理が必要だからです。
次の章では、あなたが「修正申告」と「更正の請求」のどちらの手続きが必要かを、明確に判断できる基準を解説します。
「修正申告」or「更正の請求」?あなたの状況に合う手続き判断フロー
ふるさと納税の入力ミスがあった場合、どちらの手続きを選択するかは、「本来納めるべき税額より多く申告してしまったか、それとも少なく申告してしまったか」で決まります。
具体的な状況に応じて、以下の2つのケースに分類されます。
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【ケース1:納税額が多すぎた場合】→「更正の請求」
- 状況例: 寄付額を実際より少なく入力してしまった場合や、入力を完全に忘れてしまった場合。
- 結果: 本来受けられるはずの寄付金控除が適用されず、税金を払い過ぎてしまっている状態です。この場合、「更正の請求」を行うことで、払い過ぎた税金の還付を受けることができます。
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【ケース2:納税額が少なすぎた場合】→「修正申告」
- 状況例: 寄付額を実際より多く入力してしまった場合。
- 結果: 本来よりも多くの寄付金控除を申告してしまい、結果として納めるべき税金が少なくなってしまっている状態です。この場合、「修正申告」を行うことで、不足分の税金を追加で納付する必要があります。
この判断を視覚的に分かりやすくしたのが、以下のフローチャートです。

手順1:納税額が増える場合「修正申告」のe-Tax操作ガイド
対象者
寄付額を過大に申告してしまい、結果的に納税額が本来よりも少なくなってしまった方が対象です。この手続きにより、不足していた税金を追加で納付することになります。
e-Taxソフト(WEB版)での具体的な手順
- e-Taxソフト(WEB版)にログイン:
- 利用者識別番号と暗証番号、またはマイナンバーカードとパスワードを使用してログインします。
- 「申告・納税」メニューへ:
- メニューの中から「申告・納税」を選択し、さらに「修正申告データ作成」に進みます。
- 対象申告書の選択:
- 修正したい確定申告書を選択します。通常、過去に提出した申告書の一覧から選択可能です。
- 修正内容の入力:
- ふるさと納税の寄付金控除の項目で、正しい寄付金額を再入力します。これにより、控除額が減少し、結果として納税額が増加します。
- 申告書の確認・送信:
- 修正後の申告内容を十分に確認し、問題がなければ送信します。
- 追加納税の実施:
- 修正申告が受理されると、追加で納めるべき税額が確定します。納付方法には、クレジットカード納付、ダイレクト納付(口座振替)、コンビニ納付、金融機関での窓口納付などがあります。ご自身の都合の良い方法を選択して納付してください。
ペナルティについて
ふるさと納税の入力ミスによる修正申告で、自主的に申告を行った場合、原則として「過少申告加算税」は課されません。しかし、納付期限を過ぎてから追加納税を行うと、納付が遅れた日数に応じて「延滞税」が発生します。気づいた時点ですぐに手続きを進めることが重要です。
手順2:納税額が減る場合「更正の請求」のe-Tax操作ガイド
対象者
ふるさと納税の寄付額を過少に申告してしまった方、または入力を完全に忘れてしまい、結果として税金を払い過ぎてしまった方が対象です。この手続きにより、払い過ぎた税金の還付を受けることができます。
e-Taxソフト(WEB版)での具体的な手順
- e-Taxソフト(WEB版)にログイン:
- 利用者識別番号と暗証番号、またはマイナンバーカードとパスワードを使用してログインします。
- 「申告・納税」メニューへ:
- メニューの中から「申告・納税」を選択し、さらに「更正の請求書作成」に進みます。
- 対象申告書の選択:
- 更正の請求を行いたい確定申告書を選択します。
- 請求理由と正しい金額の入力:
- 更正の請求を行う理由として、ふるさと納税の寄付金控除額の誤りを具体的に記述します。その後、正しい寄付金額を入力し、本来の控除額と納税額を計算させます。
- 添付書類の準備と添付:
- 更正の請求には、寄附金受領証明書など、正しい申告内容を裏付ける書類の添付が必要です。これらの書類をPDFデータなどで準備し、e-Taxの案内に従って添付します。
- 申告書の確認・送信:
- 入力内容と添付書類を十分に確認し、問題がなければ送信します。
手続きの期限
更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内に行う必要があります。例えば、令和5年分の確定申告(令和6年3月15日申告期限)であれば、令和11年3月15日まで請求が可能です。ただし、できるだけ早く手続きを行うことが推奨されます。
ふるさと納税の申告ミスに関するQ&A
Q. 訂正手続きはいつまでにすべき?
A. 入力ミスに気づいた時点ですぐに手続きを行うべきです。特に修正申告の場合、納付が遅れると延滞税が発生し、その金額が日ごとに増えていくため、迅速な対応が求められます。更正の請求は5年の期限がありますが、還付を早期に受けるためにも早めの手続きが良いでしょう。
Q. 添付した寄附金受領証明書のデータ自体を間違えた場合は?
A. 添付した証明書のデータが誤っていたり、金額が間違っていたりする場合も、それは税額の誤りに繋がるため、同様に修正申告または更正の請求が必要になります。正しい寄附金受領証明書を改めて準備し、適切な手続きを行ってください。
Q. ワンストップ特例を申請後に、誤って確定申告もしてしまったら?
A. ワンストップ特例制度を申請していても、その後に確定申告を行うと、確定申告の内容が優先され、ワンストップ特例は無効となります。この場合、確定申告書にふるさと納税の寄付金控除を正しく記載する必要があります。もし確定申告の内容に間違いがあれば、本記事で解説した「修正申告」または「更正の請求」を行って訂正してください。
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まとめ:e-Taxの入力ミスは焦らず正しい手順で訂正しよう
e-Taxでふるさと納税の入力を間違えてしまったとしても、税務署に受理された後でも正しい手順を踏めば訂正は可能です。電話やメールといった迅速な裏技は存在せず、「修正申告」か「更正の請求」のいずれかが正規の訂正方法となります。
最も重要なのは、「納税額が増える修正申告が必要なのか、それとも納税額が減る更正の請求が必要なのか」を自身の状況に合わせて正しく判断することです。本記事で解説したフローチャートと具体的なe-Tax操作ガイドを参考に、落ち着いて手続きを進めてください。不明な点があれば、国税庁のウェブサイトを参照するか、税務署に問い合わせることも検討しましょう。
「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか?」を徹底検証。
元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。
「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
実測スピードテストと料金シミュレーションに基づいた、忖度のない情報を発信します。
ガジェットと猫が好き。


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