会計ソフトとExcelマクロAPI連携ガイド【5ステップで自動化】

  1. 会計ソフトとExcelマクロの連携、手作業で消耗していませんか?
  2. なぜAPI連携が必要か?Excelマクロで実現する3つの技術的メリット
    1. メリット1:データ入力の完全自動化(ヒューマンエラーの撲滅と工数削減)
    2. メリット2:リアルタイムなデータ取得と分析(会計ソフトの最新データをExcelで即座に加工・分析可能)
    3. メリット3:既存業務フローの維持と強化(使い慣れたExcel資産を活かしつつ、システムを高度化)
  3. API連携の準備:始める前の必須5ステップと確認事項
    1. ステップ1:利用中の会計ソフトのAPI提供状況と利用可能プランを確認する
    2. ステップ2:API仕様書(ドキュメント)の場所を特定し、内容を概観する
    3. ステップ3:APIキーやアクセストークンなど、認証情報の取得手順を確認する
    4. ステップ4:Excel VBAの開発環境を準備する(参照設定:Microsoft XML, v6.0など)
    5. ステップ5:実現したい処理の要件を定義する(どのデータを、どのタイミングで、どう処理するか)
  4. 【VBAコード付】会計ソフトAPI設定の基本手順を3段階で解説
    1. 段階1:HTTPリクエストの送信(APIエンドポイントへの接続と認証情報の設定)
    2. 段階2:会計データの取得(GETリクエストで勘定科目一覧などを取得する具体的なコード例)
    3. 段階3:JSONレスポンスの解析(取得したJSONデータをパースし、Excelシートに出力する汎用的なコード例)
  5. 主要3社会計ソフト別:API連携の機能・スペック比較と注意点
  6. 失敗しないためのAPI連携の注意点とトラブルシューティングQ&A
    1. 注意点1:APIキー/アクセストークンの厳重な管理
    2. 注意点2:会計ソフト側のAPI仕様変更への対応
    3. 注意点3:エラーハンドリングの実装
    4. トラブルシューティングQ&A
  7. まとめ:API連携をマスターし、会計業務のDXを加速させよう

会計ソフトとExcelマクロの連携、手作業で消耗していませんか?

多くの企業が会計ソフトを導入し、業務効率化の第一歩を踏み出しています。しかし、その一方で「会計ソフトに入力したデータをExcelに転記してレポートを作成する」「Excelで作成した仕訳データを会計ソフトに手入力する」といった、手作業によるデータ連携に課題を抱えていないでしょうか。

こうした手作業は、入力ミスのリスクを高めるだけでなく、貴重な時間を浪費し、経理部門の生産性向上を阻害する大きな要因となります。デジタル化が進む現代において、このような非効率な業務フローは早急に改善すべき点です。

この記事では、会計ソフトと既存のExcelマクロをAPI(Application Programming Interface)で連携させ、これらの手作業を完全に自動化するための具体的な設定手順を解説します。API連携の技術的メリットから準備、VBAコードの実装、主要会計ソフトの比較、そしてトラブルシューティングまで、このガイドを読み終える頃には、あなたの会計業務を劇的に変える自動化の第一歩を踏み出せるはずです。

なぜAPI連携が必要か?Excelマクロで実現する3つの技術的メリット

APIとは、「Application Programming Interface」の略で、異なるソフトウェアやサービスが互いに情報をやり取りするための「窓口」や「会話のルール」のようなものです。会計ソフトが提供するAPIを利用することで、Excelマクロから直接会計ソフトのデータにアクセスし、操作することが可能になります。

A simplified diagram illustrating the interaction between Accounting Software, API, and Excel Macro. Show arrows for Request/Response flow between Client (Excel Macro), API, and Server (Accounting Software). The diagram should clearly label

Excelマクロと会計ソフトのAPI連携がもたらす技術的なメリットは、主に以下の3点です。

メリット1:データ入力の完全自動化(ヒューマンエラーの撲滅と工数削減)

API連携により、Excelで作成した仕訳データや経費精算データなどを、ボタン一つで会計ソフトに自動で登録できるようになります。これにより、手作業によるデータ転記が不要となり、入力ミスや転記漏れといったヒューマンエラーを根絶。同時に、データ入力にかかる膨大な時間を大幅に削減し、経理担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。

メリット2:リアルタイムなデータ取得と分析(会計ソフトの最新データをExcelで即座に加工・分析可能)

会計ソフトに蓄積された最新の勘定科目、取引履歴、残高試算表などのデータを、APIを通じてリアルタイムにExcelに取得できます。これにより、常に最新の会計データを基にしたレポート作成や分析が可能となり、経営判断のスピードと精度が向上します。Excelの強力な分析機能を活かし、会計ソフト単体では難しい高度な分析も容易に行えるようになります。

メリット3:既存業務フローの維持と強化(使い慣れたExcel資産を活かしつつ、システムを高度化)

多くの企業では、長年培ってきたExcelベースの業務フローや、複雑な計算ロジックが組み込まれたExcelファイルが重要な資産として存在します。API連携は、これらの既存のExcel資産をそのまま活用しながら、会計ソフトとのデータ連携部分を自動化できるため、大幅なシステム改修を伴うことなく業務フローを高度化できます。使い慣れた環境で、より効率的な業務を実現できる点が大きな強みです。

API連携の準備:始める前の必須5ステップと確認事項

API連携をスムーズに進めるためには、事前の準備が非常に重要です。以下の5つのステップで確認を進めましょう。

ステップ1:利用中の会計ソフトのAPI提供状況と利用可能プランを確認する

まず、現在利用している会計ソフトがAPIを提供しているか、またそのAPIが利用可能な料金プランに含まれているかを確認します。多くのクラウド会計ソフトはAPIを提供していますが、利用できる機能やプランが限定されている場合があります。公式サイトやサポートに問い合わせて、詳細を確認しましょう。

ステップ2:API仕様書(ドキュメント)の場所を特定し、内容を概観する

API連携の「設計図」となるのがAPI仕様書(APIドキュメント)です。これには、APIのエンドポイント(接続先URL)、利用可能な機能、リクエスト形式、レスポンス形式、認証方法などが詳細に記載されています。まずはドキュメントの場所を特定し、どのような情報が記載されているかをざっと確認しておきましょう。

ステップ3:APIキーやアクセストークンなど、認証情報の取得手順を確認する

APIを利用するには、通常、認証情報(APIキー、アクセストークン、クライアントID/シークレットなど)が必要です。これらの情報は、あなたのExcelマクロが正規のユーザーとして会計ソフトにアクセスするための「鍵」となります。取得手順は会計ソフトごとに異なるため、APIドキュメントで確認し、安全に管理できるよう準備を進めます。

ステップ4:Excel VBAの開発環境を準備する(参照設定:Microsoft XML, v6.0など)

Excel VBAでHTTPリクエストを送信するためには、特定のライブラリを参照設定する必要があります。
ExcelのVBAエディタを開き、「ツール」→「参照設定」から、以下のライブラリにチェックが入っていることを確認、または追加します。

  • Microsoft XML, v6.0 (または v3.0, v4.0, v5.0など、環境によって異なる場合があります)

これにより、MSXML2.XMLHTTPオブジェクトが利用可能になります。

ステップ5:実現したい処理の要件を定義する(どのデータを、どのタイミングで、どう処理するか)

漠然と「自動化したい」と考えるのではなく、具体的に「どの会計データを(例:仕訳データ、勘定科目一覧)、どのタイミングで(例:毎日夜間、月初)、どのように処理したいか(例:Excelシートに取得、会計ソフトに登録)」といった要件を明確に定義します。これにより、必要なAPI機能やVBAマクロの設計が具体化し、効率的な開発につながります。

【VBAコード付】会計ソフトAPI設定の基本手順を3段階で解説

ここからは、実際にExcel VBAを使って会計ソフトのAPIと連携する基本的なコード例を3段階に分けて解説します。これはあくまで汎用的な例であり、実際の会計ソフトのAPI仕様に合わせて適宜修正が必要です。

段階1:HTTPリクエストの送信(APIエンドポイントへの接続と認証情報の設定)

まず、APIのエンドポイントに接続し、必要な認証情報をリクエストヘッダーに設定して送信する基本的なVBAコードです。

' 参照設定: Microsoft XML, v6.0 が必要です

Sub SendApiRequest()
    Dim objHttp As Object
    Dim apiUrl As String
    Dim accessToken As String ' またはAPIキー

    ' --- 設定値 ---
    apiUrl = "https://api.example.com/accounts" ' 会計ソフトのAPIエンドポイントURL
    accessToken = "YOUR_ACCESS_TOKEN_HERE" ' 取得したアクセストークンまたはAPIキー

    ' HTTPリクエストオブジェクトの作成
    Set objHttp = CreateObject("MSXML2.XMLHTTP")

    ' GETリクエストを開く (GET, URL, 非同期=False)
    objHttp.Open "GET", apiUrl, False

    ' リクエストヘッダーに認証情報を設定
    ' OAuth2.0の場合: "Authorization: Bearer [アクセストークン]"
    ' APIキーの場合: "X-API-KEY: [APIキー]" など、APIドキュメントに従う
    objHttp.SetRequestHeader "Authorization", "Bearer " & accessToken
    ' Content-Typeの設定 (JSONを受け取る場合)
    objHttp.SetRequestHeader "Content-Type", "application/json"
    objHttp.SetRequestHeader "Accept", "application/json"

    ' リクエストを送信
    objHttp.Send

    ' レスポンスの確認 (ここではステータスコードのみ)
    If objHttp.Status = 200 Then
        MsgBox "APIリクエストが成功しました!", vbInformation
    Else
        MsgBox "APIリクエストが失敗しました。ステータスコード: " & objHttp.Status & vbCrLf & _
               "レスポンス: " & objHttp.responseText, vbCritical
    End If

    ' オブジェクトの解放
    Set objHttp = Nothing
End Sub

解説:
* CreateObject("MSXML2.XMLHTTP") でHTTPリクエストを扱うためのオブジェクトを作成します。
* objHttp.Open "GET", apiUrl, False で、指定したURLに対してGETリクエスト(データ取得)を準備します。Falseは同期処理を意味し、レスポンスが返るまでマクロの実行を一時停止します。
* objHttp.SetRequestHeader で、認証情報(Authorizationヘッダー)やデータの形式(Content-Type, Acceptヘッダー)を設定します。これはAPIドキュメントで指定された通りに設定してください。
* objHttp.Send でリクエストを送信します。
* objHttp.Status でHTTPステータスコードを確認し、成功(200 OK)か失敗かを判断します。

段階2:会計データの取得(GETリクエストで勘定科目一覧などを取得する具体的なコード例)

上記コードに、レスポンスとして返ってきたデータを取得する部分を追加します。多くのAPIはJSON形式でデータを返します。

' 参照設定: Microsoft XML, v6.0 が必要です

Sub GetAccountingData()
    Dim objHttp As Object
    Dim apiUrl As String
    Dim accessToken As String
    Dim responseText As String ' レスポンステキストを格納する変数

    ' --- 設定値 ---
    apiUrl = "https://api.example.com/accounts" ' 例: 勘定科目一覧を取得するAPIエンドポイント
    accessToken = "YOUR_ACCESS_TOKEN_HERE"

    Set objHttp = CreateObject("MSXML2.XMLHTTP")
    objHttp.Open "GET", apiUrl, False
    objHttp.SetRequestHeader "Authorization", "Bearer " & accessToken
    objHttp.SetRequestHeader "Content-Type", "application/json"
    objHttp.SetRequestHeader "Accept", "application/json"
    objHttp.Send

    If objHttp.Status = 200 Then
        responseText = objHttp.responseText ' 成功した場合、レスポンステキストを取得
        MsgBox "データ取得成功! レスポンス:" & vbCrLf & responseText, vbInformation
        ' ここでresponseTextを解析してExcelに出力する処理に進む
    Else
        MsgBox "データ取得失敗。ステータスコード: " & objHttp.Status & vbCrLf & _
               "レスポンス: " & objHttp.responseText, vbCritical
    End If

    Set objHttp = Nothing
End Sub

解説:
* responseText = objHttp.responseText で、APIから返されたデータを文字列として取得します。この文字列が通常、JSON形式のデータです。
* 取得したresponseTextは、次の段階で解析し、Excelシートに出力します。

段階3:JSONレスポンスの解析(取得したJSONデータをパースし、Excelシートに出力する汎用的なコード例)

取得したJSONデータをExcelで扱うためには、JSONを解析(パース)する必要があります。VBAには標準でJSONを解析する機能がないため、外部モジュールを利用するのが一般的です。ここでは、VBA-JSONなどのライブラリを導入することを想定したコード例を示します。(事前にJsonConverter.basをVBAプロジェクトにインポートしてください。)

' 参照設定: Microsoft XML, v6.0 が必要です
' また、VBA-JSON (JsonConverter.bas) モジュールのインポートが必要です。

Sub ParseAndOutputJsonToExcel()
    Dim objHttp As Object
    Dim apiUrl As String
    Dim accessToken As String
    Dim responseText As String
    Dim jsonObject As Object ' JSONデータを格納するオブジェクト
    Dim ws As Worksheet ' 出力先のシート
    Dim rowNum As Long
    Dim key As Variant

    ' --- 設定値 ---
    apiUrl = "https://api.example.com/accounts" ' 例: 勘定科目一覧を取得するAPIエンドポイント
    accessToken = "YOUR_ACCESS_TOKEN_HERE"
    Set ws = ThisWorkbook.Sheets("会計データ") ' 出力先のシート名を指定

    ' 既存データをクリア (任意)
    ws.Cells.ClearContents

    ' ヘッダー行の準備
    rowNum = 1
    ws.Cells(rowNum, 1).Value = "勘定科目コード"
    ws.Cells(rowNum, 2).Value = "勘定科目名"
    ws.Cells(rowNum, 3).Value = "残高" ' 例として

    Set objHttp = CreateObject("MSXML2.XMLHTTP")
    objHttp.Open "GET", apiUrl, False
    objHttp.SetRequestHeader "Authorization", "Bearer " & accessToken
    objHttp.SetRequestHeader "Content-Type", "application/json"
    objHttp.SetRequestHeader "Accept", "application/json"
    objHttp.Send

    If objHttp.Status = 200 Then
        responseText = objHttp.responseText
        ' JSONを解析
        Set jsonObject = JsonConverter.ParseJson(responseText)

        ' jsonObjectがコレクションまたは配列の場合 (例: {"accounts": [...]} または [...])
        ' 例として、"accounts"というキーの下に勘定科目の配列がある場合を想定
        If jsonObject.Exists("accounts") Then
            Dim account As Object
            For Each account In jsonObject("accounts")
                rowNum = rowNum + 1
                ' JSONのキーとExcelの列をマッピング
                ws.Cells(rowNum, 1).Value = account("code") ' 例: 勘定科目コード
                ws.Cells(rowNum, 2).Value = account("name") ' 例: 勘定科目名
                ws.Cells(rowNum, 3).Value = account("balance") ' 例: 残高
            Next account
            MsgBox "会計データをExcelシート「" & ws.Name & "」に取得しました。", vbInformation
        Else
            MsgBox "JSONレスポンスに'accounts'キーが見つかりませんでした。", vbExclamation
            ' その他のJSON構造に対応する場合の処理
            ' 例: ルートが直接配列の場合
            ' If TypeName(jsonObject) = "Collection" Then
            '     For Each item In jsonObject
            '         If item.Exists("code") Then ws.Cells(rowNum, 1).Value = item("code")
            '         ' ...
            '     Next item
            ' End If
        End If
    Else
        MsgBox "データ取得失敗。ステータスコード: " & objHttp.Status & vbCrLf & _
               "レスポンス: " & objHttp.responseText, vbCritical
    End If

    Set objHttp = Nothing
    Set ws = Nothing
End Sub

解説:
* JsonConverter.ParseJson(responseText) を使用して、JSON文字列をVBAで操作可能なオブジェクト(DictionaryやCollectionに似た構造)に変換します。
* jsonObject("accounts")のようにキーを指定して、JSON内のデータにアクセスします。
* For Eachループを使って、配列内の各要素(勘定科目データなど)を順に取り出し、Excelシートの各セルに値を書き込んでいます。
* JSONの構造はAPIによって大きく異なるため、account("code")などのキーは実際のAPIドキュメントに合わせて修正が必要です。

主要3社会計ソフト別:API連携の機能・スペック比較と注意点

ここでは、国内で広く利用されている主要なクラウド会計ソフト3社(freee、マネーフォワード クラウド、弥生会計オンライン)のAPI連携における一般的な傾向と注意点を比較します。具体的な機能やスペックはプランや時期によって変動するため、必ず各社の最新APIドキュメントをご確認ください。

比較項目 freee マネーフォワード クラウド 弥生会計オンライン
API利用プラン プロフェッショナルプラン以上が一般的 ビジネスプラン以上が一般的 ベーシックプラン以上が一般的
認証方式 OAuth 2.0 OAuth 2.0 APIキー / OAuth 2.0 (サービスにより異なる)
主な機能範囲 会計、人事労務、請求書など幅広いデータ取得・登録が可能 会計、請求書、経費精算など複数のクラウドサービス連携 仕訳、勘定科目、取引先など会計データの取得・登録
リクエスト上限 比較的柔軟だが、プランやアクセス頻度による制限あり 比較的柔軟だが、プランやアクセス頻度による制限あり 比較的控えめな場合が多く、APIドキュメントでの確認必須
ドキュメント 充実しており、開発者向けコミュニティも活発 体系的で分かりやすい、開発者向け情報も提供 必要最低限の情報は提供、開発者向け情報は限定的傾向
開発のしやすさ 高い(OAuth2.0の複雑さに慣れていれば) 高い(OAuth2.0の複雑さに慣れていれば) ややシンプル(APIキーの場合)

比較からの考察と判断基準:

  • OAuth 2.0の理解: freeeやマネーフォワード クラウドはOAuth 2.0認証が主流であり、初期設定はやや複雑ですが、高いセキュリティと柔軟な権限管理が可能です。VBAでOAuth 2.0を実装するには追加の知識や工夫が必要になる場合があります(例: ブラウザ制御を利用した認証フロー)。
  • APIキーのシンプルさ: 弥生会計オンラインなど一部サービスではAPIキー認証も提供されており、VBAからの実装は比較的シンプルです。
  • 機能範囲とデータ種類: どのデータを取得・更新したいかによって、利用すべきAPIの機能範囲が異なります。自社の要件に合致するデータが提供されているかを最優先で確認しましょう。
  • リクエスト上限: 短時間に大量のデータを処理する場合、APIのリクエスト上限(レートリミット)が重要になります。上限を超えるとエラーが発生するため、処理頻度やデータ量に応じて適切な設計が必要です。
  • ドキュメントの質: APIドキュメントの分かりやすさは、開発効率に直結します。サンプルコードやエラーコードの説明が充実しているかを確認しましょう。

自社の利用状況、自動化したい範囲、そして開発担当者のスキルレベルを考慮し、最適な会計ソフトのAPIを選択・活用することが成功の鍵となります。

失敗しないためのAPI連携の注意点とトラブルシューティングQ&A

API連携は強力なツールですが、適切な運用と対策がなければ思わぬトラブルにつながることもあります。

注意点1:APIキー/アクセストークンの厳重な管理

APIキーやアクセストークンは、会計ソフトへのアクセス権限を持つ非常に重要な情報です。VBAコード内に直接記述すると、コードが流出した際に不正利用されるリスクがあります。

推奨される管理方法:
* 別シートで管理: Excelシートの非表示セルや別シートに記述し、VBAから参照する。
* 設定ファイルで管理: テキストファイルやINIファイルに記述し、VBAから読み込む。
* 環境変数で管理: 機密情報保護の観点からより安全ですが、VBAからのアクセスはやや複雑になります。

注意点2:会計ソフト側のAPI仕様変更への対応

クラウドサービスである会計ソフトのAPIは、将来的に仕様が変更される可能性があります。APIのバージョンアップやエンドポイントの変更があった場合、既存のマクロが動作しなくなることがあります。

対策:
* 定期的なAPIドキュメントの確認: 会計ソフトからのお知らせやAPIドキュメントの更新情報を定期的にチェックしましょう。
* バージョン指定: APIによっては、リクエスト時にAPIバージョンを指定できる場合があります。これにより、急な変更の影響を緩和できます。
* テスト環境での検証: 仕様変更があった際は、必ず本番環境に適用する前にテスト環境でマクロが正常に動作するか検証しましょう。

注意点3:エラーハンドリングの実装

API連携では、ネットワークエラー、認証エラー、データ形式エラーなど、様々なエラーが発生する可能性があります。マクロが途中で停止したり、意図しない動作をしないよう、適切なエラーハンドリングを実装することが不可欠です。

VBAでのエラーハンドリングの基本:

On Error GoTo ErrorHandler ' エラー発生時にErrorHandlerへジャンプ

' --- 通常の処理 ---
' 例: objHttp.Send

Exit Sub ' 正常終了時はエラーハンドラをスキップ

ErrorHandler:
    MsgBox "エラーが発生しました: " & Err.Description, vbCritical
    ' エラーの種類に応じて適切な処理を記述
    ' 例: エラーログへの記録、ユーザーへの通知
    ' 例: objHttp.Status や objHttp.responseText を確認して詳細なエラー情報を表示
    ' Resume Next ' エラーを無視して次の行へ進む (非推奨の場合が多い)
    ' Resume ' エラー発生行を再実行
End Sub

トラブルシューティングQ&A

Q1: API認証が通らない、またはエラーになる。
A1:
* APIキー/アクセストークンの有効期限: 有効期限が切れていないか確認しましょう。OAuth2.0ではアクセストークンは短期間で期限切れになるため、リフレッシュトークンを利用して再取得する仕組みが必要です。
* 認証情報の誤り: スペルミス、大文字・小文字の区別、不要なスペースなどがないか、正確に確認しましょう。
* 権限不足: 取得したいデータや実行したい操作に対して、APIキー/アクセストークンに必要な権限が付与されているか確認しましょう。
* IPアドレス制限: 会計ソフト側でAPIアクセス元IPアドレスを制限している場合があります。自社のIPアドレスが許可されているか確認が必要です。

Q2: 取得したデータが文字化けする。
A2:
* エンコーディングの問題: APIからのレスポンスがUTF-8などのエンコーディングである場合、VBAで正しく処理できないことがあります。StrConv関数やADODB.Streamオブジェクトを使って、文字コード変換を試みてください。
vba
' 例: ADODB.Stream を使ったUTF-8からShift-JISへの変換
Dim adoStream As Object
Set adoStream = CreateObject("ADODB.Stream")
adoStream.Type = 2 ' adTypeText
adoStream.Charset = "UTF-8"
adoStream.Open
adoStream.WriteText responseText
adoStream.Position = 0
adoStream.Charset = "Shift_JIS" ' または "Windows-1252" など
Dim convertedText As String
convertedText = adoStream.ReadText
adoStream.Close
Set adoStream = Nothing

Q3: データが取得できない、または一部しか取得できない。
A3:
* APIエンドポイントの誤り: 適切なエンドポイントURLを指定しているか確認しましょう。
* クエリパラメータの不足/誤り: 期間指定やフィルタリングなど、データ取得に必要なクエリパラメータが正しく設定されているか確認しましょう。
* リクエスト上限: 短時間に多数のリクエストを送っていないか確認しましょう。レートリミットに達している場合は、一定時間待ってから再試行する処理(リトライ処理)を実装する必要があります。
* レスポンスのページネーション: 大量のデータを取得する場合、APIは一度にすべてのデータを返さず、ページごとに分割して返すことがあります(ページネーション)。その場合、次のページのデータを取得するための処理をマクロに実装する必要があります。

まとめ:API連携をマスターし、会計業務のDXを加速させよう

本記事では、会計ソフトとExcelマクロをAPIで連携させるための具体的な手順と、その技術的メリット、そして実践的なVBAコード例を解説しました。

API連携は、これまで手作業で行っていたデータ転記や集計作業を自動化し、ヒューマンエラーの撲滅、リアルタイムなデータ活用、そして既存のExcel資産の有効活用といった多大なメリットをもたらします。これにより、経理部門の生産性は飛躍的に向上し、より戦略的な業務へシフトする時間を生み出すことができるでしょう。

まずは、現在ご利用中の会計ソフトのAPIドキュメントを確認し、簡単なデータ取得

レイ@通信費見直しアドバイザー

「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか?」を徹底検証。

元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。

「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
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ガジェットと猫が好き。

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