AIでAsana/Notionの工数を自動仕訳できる?3つの連携手法を徹底比較

AsanaやNotionといったプロジェクト管理ツールで日々の工数や外注費を管理している中小企業の経営者様、経理担当者様、プロジェクトマネージャーの皆様。これらの貴重なデータを会計ソフトへ手入力する作業に、膨大な時間と手間、そしてミスのリスクを感じていませんか?

本記事では、「AIがプロジェクト管理ツールの工数データを自動で取得し、適切な仕訳を提案してくれる機能」の「有無」と「実用性」を明確にし、現状で実現可能な具体的な手法を技術的観点から比較・解説します。

【結論】現状、単体で完結するAI機能は限定的ですが、既存のツール(iPaaS、RPA、API)を組み合わせることで、限りなく理想に近い自動化は構築可能です。

理想と現実:AIによる工数データ自動取得・仕訳機能の現状

多くの会計ソフトが「AI自動仕訳」を謳っていますが、その大半は銀行明細の取引データや、レシート・領収書のOCR(光学文字認識)データからの仕訳提案に特化しています。これらのデータは、金額や日付、取引先といった定型的な情報が多く、AIが勘定科目を推測しやすいという特徴があります。

しかし、AsanaやNotionに記録された「A案件 デザイン業務 5時間」「Bプロジェクト 外注費 〇〇社」といった非定型的なテキストデータから、適切な勘定科目(例:売上原価、外注費、人件費、旅費交通費など)をAIが推測し、さらにプロジェクトごとの原価計算に紐付けるのは、技術的なハードルが非常に高いのが現状です。

「AIがプロジェクト管理ツールから直接データを取得し、自動で仕訳を生成する」というワンストップ機能は、まだ発展途上にあり、既存の会計ソフトに標準搭載されているケースは極めて限定的です。そのため、現時点では、代替手段や連携技術の検討が現実的なアプローチとなります。

工数データ自動化を実現する3つの技術的アプローチ

プロジェクト管理ツールから会計ソフトへのデータ連携・自動仕訳を実現するには、主に以下の3つの技術的アプローチが考えられます。

【手法1】iPaaS(Integration Platform as a Service)

概要: ZapierやMake(旧Integromat)といったiPaaSは、異なるSaaS(Software as a Service)アプリケーション同士をノーコードまたはローコードで連携させるクラウドサービスです。特定のイベント(例:Asanaでタスクが完了した、Notionのデータベースに新しい項目が追加された)をトリガーに、別のアプリケーションでアクション(例:Googleスプレッドシートにデータを追加、会計ソフトに仕訳データを送信)を実行させることができます。

メリット:
* 設定が比較的容易: プログラミング知識がなくても、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)操作で連携フローを構築できます。
* 低コストから始められる: 無料プランや安価な有料プランから利用でき、スモールスタートが可能です。
* クラウドベース: サーバーの運用管理が不要で、場所を選ばずに利用できます。

デメリット:
* 複雑な条件分岐やデータ加工が苦手: 用意されたアクションの範囲内でしか連携できず、高度なデータ変換や複雑なロジックを組むのは難しい場合があります。
* 連携できるアプリに限りがある: iPaaSが公式にサポートしているアプリ以外との連携は困難です。
* 従量課金制: 連携回数やデータ量に応じて費用が増加する可能性があります。

【手法2】RPA(Robotic Process Automation)

概要: UiPathやWinActorといったRPAは、PC上で行われる定型的な操作(マウス操作、キーボード入力、ファイル操作など)をソフトウェアロボットに学習させ、自動化する仕組みです。人間が行うような画面操作を模倣するため、API連携に対応していない古いシステムやWebサービスとの連携にも利用できる点が特徴です。

メリット:
* API非対応のソフトでも自動化可能: 会計ソフトやプロジェクト管理ツールがAPIを提供していなくても、画面操作を介して連携を実現できます。
* 柔軟な操作再現: 人間が行うほぼすべてのPC操作を自動化できるため、複雑なデータ入力や複数システムを跨ぐ処理にも対応しやすいです。

デメリット:
* PCの常時起動が必要: ロボットが稼働するPCを常に起動しておく必要があります(サーバー型RPAを除く)。
* UI変更に弱い: 連携対象のシステムのUI(ユーザーインターフェース)が変更されると、ロボットの動作が停止したり、修正が必要になったりします。
* 導入・運用コスト: ソフトウェアライセンス費用や、ロボット開発・保守のための専門知識が必要となる場合があります。

【手法3】API(Application Programming Interface)連携

概要: APIは、ソフトウェアやアプリケーションの一部を外部に公開し、他のプログラムがそれを利用できるようにするインターフェースです。プロジェクト管理ツールと会計ソフトがそれぞれAPIを提供していれば、プログラムを介して直接データをやり取りし、自動で仕訳データを生成・登録することが可能です。

メリット:
* 最も確実で高速: システム間で直接データをやり取りするため、連携の安定性が高く、処理速度も速いです。
* 高い自由度とカスタマイズ性: 独自の要件に合わせて、データの取得、加工、変換、登録ロジックを自由に設計できます。
* エラーハンドリングが容易: プログラム内でエラー発生時の処理を詳細に設定できます。

デメリット:
* 専門的な開発知識とコストが必要: プログラミングスキルを持つエンジニアによる開発が必要であり、初期開発費用が高額になる傾向があります。
* 保守・運用コスト: システムの仕様変更やAPIのアップデートに対応するための継続的なメンテナンスが必要です。
* 両ツールがAPIを提供している必要がある: APIが公開されていないツール同士ではこの手法は利用できません。

A flowchart illustrating the three data integration methods: iPaaS (connecting two cloud app icons), RPA (a robot icon interacting with a desktop screen), and API (two server icons with arrows between them, representing direct data exchange).

【スペック比較表】iPaaS・RPA・API連携、最適な手法はどれか?

項目 iPaaS (Zapier, Makeなど) RPA (UiPath, WinActorなど) API連携 (スクラッチ開発など)
導入コスト 〇 (無料プランあり、低額から) △ (初期投資が必要な場合が多い) × (開発費用が高額)
月額費用 〇 (利用量に応じた従量課金) △ (ライセンス費用、運用コスト) 〇 (運用は比較的低コスト)
設定難易度 ◎ (ノーコード/ローコード) 〇 (GUI操作が中心) × (専門的な開発知識必須)
カスタマイズ性 〇 (テンプレート利用が主、簡易加工) 〇 (柔軟な操作再現が可能) ◎ (最も自由度が高い)
安定性 〇 (サービス提供元に依存) △ (UI変更に弱い、PC稼働依存) ◎ (直接連携で高安定)
適したケース 簡易な連携、スモールスタート、クラウドアプリ中心 GUI操作が多い定型業務、既存システム、API非対応システム 高度な連携、大規模システム、高速・高安定性が必要な場合

自社のリソース(予算、人員、技術力)や業務要件を考慮し、最適な手法を選択することが重要です。例えば、プログラミング知識がないがすぐに自動化を始めたい場合はiPaaSが、既存のデスクトップアプリケーションとの連携が多い場合はRPAが、最も安定した高度な連携を求める場合はAPI連携が適しています。

実用性検証:AI仕訳提案機能を最大限に活用する設定とは

上記の手法でプロジェクト管理ツールから会計ソフトへデータを連携する際、会計ソフト側のAI仕訳提案機能を最大限に活用するためには、連携するデータの「質」が非常に重要になります。つまり、「機械が読みやすいデータ」を人間が準備することが、AI仕訳の精度を向上させる鍵となります。

プロジェクト管理ツール側でのデータ入力ルール設定の重要性

  1. 特定のタグやカテゴリの活用:

    • AsanaやNotionで、工数や経費の種類を明確に示すタグ(例:#外注費_デザイン#旅費交通費_出張#売上原価_A案件)を設定し、必ず入力するようにルール化します。
    • これにより、会計ソフトへ連携されたデータにこれらのタグ情報が含まれていれば、AIが勘定科目を推測しやすくなります。
  2. 命名規則の統一:

    • タスク名や経費項目名に、特定のキーワード(例:「交通費」「接待費」「消耗品費」など)を含める命名規則を設けます。
    • 例:「〇〇案件_デザイン費用_〇〇社」のように、プロジェクト名、費用の内容、取引先を明確に記述することで、AIが仕訳の要素を抽出しやすくなります。
  3. 金額情報の明確化:

    • 外注費などの金額情報は、数値として明確に入力し、通貨単位も統一します。
    • 必要であれば、税抜き・税込みの区分もデータに含めることで、会計ソフト側での処理がスムーズになります。

これらのルールを徹底することで、連携されたデータは会計ソフトのAIにとって「学習しやすい」データとなり、自動仕訳の精度が格段に向上します。結果として、最終的な経理担当者の確認・修正作業を大幅に削減し、真の効率化を実現できます。

An abstract illustration showing data flowing from a project management dashboard (icons of Asana/Notion) to an accounting software interface (icons of charts/ledgers), with an AI brain icon in between, signifying smart data processing and accurate categorization.

まとめ:完璧なAIを待つより、今ある技術で経理DXを始めよう

AsanaやNotionといったプロジェクト管理ツールから工数データや外注費情報を会計ソフトへ自動仕訳する機能は、現状、単体で完結するAI機能としてはまだ限定的です。しかし、iPaaS、RPA、API連携といった既存の強力な技術を組み合わせることで、手動入力の手間とミスを解消し、経理業務の効率化を飛躍的に向上させることが可能です。

重要なのは、自社のリソース(予算、人員、技術力)と業務要件を整理し、最適な手法を選択することです。

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もし、どのツールを選べば良いか迷っている、あるいは具体的な連携方法についてさらに詳しく知りたい場合は、まずは無料で試せるiPaaSサービスから始めてみるのも良いでしょう。また、社内のIT担当者や外部の専門家(ITコンサルタント、システム開発会社)に相談することで、自社に最適なソリューションを見つける手助けとなります。

完璧なAIを待つのではなく、今ある技術を賢く活用し、経理DXの第一歩を踏み出しましょう。

レイ@通信費見直しアドバイザー

「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか?」を徹底検証。

元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。

「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
実測スピードテストと料金シミュレーションに基づいた、忖度のない情報を発信します。
ガジェットと猫が好き。

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