「まさか、うちの子のバイト代が103万円を超えるなんて…!」
年の途中で、お子様のアルバイト収入が予想以上に伸び、扶養から外れることが確実になったご家庭もいらっしゃるのではないでしょうか。
お子様の成長は喜ばしいものですが、同時に気になるのが「税金への影響」特に、計画的に行っていた「ふるさと納税」の控除上限額がどうなるのか、正確な計算方法や今後の手続きについて、不安を感じている方も多いはずです。
ご安心ください。この記事では、お子様が扶養から外れた場合のふるさと納税控除上限額の正確な計算方法と、年末調整までに必要な具体的な手続きを、税金の仕組みに基づきながらロジカルに解説します。
結論からお伝えすると、お子様が扶養から外れると、あなたのふるさと納税控除上限額は約2万円〜減少する可能性があります。感覚ではなく、具体的な数字と正しい手順を知ることで、ふるさと納税のメリットを最大限に享受し、追徴課税のリスクを回避しましょう。
この記事を読めば、年の途中で状況が変わっても、慌てずに適切な対応ができるようになります。
なぜ扶養が外れると上限額が減る?所得税・住民税の仕組み
まず、なぜお子様が扶養から外れると、あなたのふるさと納税の控除上限額が減少するのか、その基本的な仕組みから理解しておきましょう。
ふるさと納税の控除上限額は、主にあなたの「住民税所得割額」を基準に計算されます。住民税所得割額は、あなたの課税所得に税率を掛けて算出されるため、課税所得が増えれば住民税所得割額も増え、その結果、ふるさと納税の控除上限額も変動します。
ここで重要になるのが「扶養控除」です。扶養控除とは、扶養している親族がいる場合に受けられる「所得控除」の一種です。所得控除は、所得税や住民税を計算する際の「課税所得」を減らす効果があります。
お子様がアルバイトで年間103万円を超過すると、税法上の「控除対象扶養親族」の要件を満たさなくなるため、あなたは扶養控除を受けられなくなります。
この扶養控除が適用されなくなると、あなたの課税所得が増加します。課税所得が増えれば、それに伴って所得税や住民税所得割額も増加します。
そして、ふるさと納税の控除上限額は、所得税や住民税所得割額が増えることで、相対的に減少するというロジックになります。
具体的には、ふるさと納税の控除上限額は「(住民税所得割額 × 20%)+(所得税率に応じた金額)」といった計算式で成り立っており、住民税所得割額が増えると、控除の対象となる「自己負担額2,000円を超える部分」の計算が変わってくるため、上限額が減少するのです。
この流れをシンプルな図で示すと以下のようになります。

【重要】扶養判定の基準日は「12月31日」。年の途中でも年末時点で判断
お子様の扶養について考える上で、非常に重要なポイントがあります。それは、所得税の扶養控除の判定は、「その年の12月31日時点」の現況で判断されるという点です。年の途中の状況は関係ありません。
したがって、お子様のアルバイト収入が、年の途中で103万円(給与所得控除55万円+基礎控除48万円)を超え、その年の12月31日までに年間103万円を超過することが確定した場合、その時点であなたは、その年のお子様に対する扶養控除を受けられなくなることが確定します。
つまり、「まだ12月になっていないから大丈夫」と考えるのは誤りです。年の途中で103万円を超えることが確定した時点で、その年のふるさと納税上限額は、「扶養親族がいない」前提で再計算する必要がある、と認識してください。
主要シミュレーター別!扶養を外すための正確な入力方法
ふるさと納税の控除上限額を再計算するには、各ふるさと納税サイトが提供している詳細シミュレーターを活用するのが最も手軽で正確です。ここでは、主要サイトのシミュレーターで扶養情報を正確に反映させる方法を解説します。
まずは、お手元に最新の源泉徴収票(または給与明細の合計額)をご用意ください。シミュレーターでは以下の項目を正確に入力する必要があります。
- 給与収入(年収):源泉徴収票の「支払金額」
- 給与所得控除後の金額:源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」
- 所得控除の額の合計額:源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」
そして、最も重要なのが「扶養控除」に関する項目です。
- 楽天ふるさと納税、さとふる、ふるなび等の詳細シミュレーター
- シミュレーターの入力画面には、「扶養親族の人数」や「控除対象扶養親族の有無」といった項目があります。
- お子様が扶養から外れる場合、この項目で「扶養親族の人数」を1人減らす、または該当するお子様のチェックを外す操作を行ってください。
- 年齢によって扶養控除額が異なるため、「一般の控除対象扶養親族(16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満)」や「特定扶養親族(19歳以上23歳未満)」といった区分にも注意して修正しましょう。
例えば、これまで16歳以上の子供を1人扶養親族としてカウントしていた場合、その項目を「0人」にするか、該当する子供のチェックボックスを外すことで、シミュレーション結果に扶養控除が反映されなくなります。
この修正を行う前と後で、シミュレーション結果に表示される控除上限額がどのように変化するかを必ず確認してください。多くの場合、上限額が数万円単位で減少することが確認できるはずです。
年収別|扶養が外れた場合の控除上限額への影響【早見表】
お子様が扶養から外れた場合、具体的にふるさと納税の控除上限額がどの程度変わるのか、年収別に比較した早見表をご覧ください。
(※以下の数値は一般的なケースを想定した概算であり、個人の状況によって変動します。社会保険料控除は年収の15%とし、配偶者控除はないものとして計算しています。)
| 年収(給与収入) | 扶養あり(16歳以上の子1人)上限額(概算) | 扶養なし上限額(概算) | 差額(減少額) |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約33,000円 | 約13,000円 | 約20,000円 |
| 500万円 | 約40,000円 | 約20,000円 | 約20,000円 |
| 600万円 | 約55,000円 | 約35,000円 | 約20,000円 |
| 700万円 | 約70,000円 | 約50,000円 | 約20,000円 |
| 800万円 | 約90,000円 | 約70,000円 | 約20,000円 |

この表からわかるように、年収に関わらず、扶養が外れることで控除上限額が約20,000円程度減少する傾向にあります。
これは、扶養控除(一般扶養親族の場合、所得税で38万円、住民税で33万円)がなくなることで課税所得が増加し、その結果としてふるさと納税の控除上限額の計算に影響が出るためです。
ご自身の年収と照らし合わせ、おおよその影響額を把握することで、今後のふるさと納税の計画を立てる際の参考にしてください。
忘れてはいけない年末調整・確定申告での手続き
ふるさと納税の上限額をシミュレーションし直すだけでなく、税務上の正式な手続きも忘れてはいけません。この手続きを怠ると、扶養控除を受けたままとして税金が計算され、後日、不足分の税金を納める「追徴課税」が発生するリスクがあります。
会社員の場合:年末調整
会社員の方は、年末に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で、控除対象扶養親族の情報を修正する必要があります。
- 「控除対象扶養親族」欄の削除: 申告書にある「控除対象扶養親族」の欄から、扶養から外れるお子様の名前や生年月日などの記載を削除します。
- 異動月日の記載: 扶養から外れた事由(例:アルバイト収入超過)と異動年月日を記載する場合があります。
会社によっては、年の途中で扶養親族に異動があった際に、その都度申告書の提出を求める場合もありますので、会社の経理担当部署に確認しておくと安心です。

確定申告の場合
ご自身で確定申告を行う方は、以下の書類で修正が必要です。
- 確定申告書 第二表: 「配偶者や親族に関する事項」の欄から、扶養から外れるお子様の情報を削除します。
- 確定申告書 第一表: 「扶養控除」の金額を正しく計算し直し、記載を修正します。扶養控除額が「0円」となるか、他の扶養親族がいる場合はその人数に応じた金額に変更してください。
これらの手続きを適切に行うことで、正しい税額が計算され、追徴課税のリスクを回避することができます。
まとめ:正しい知識で、扶養が外れる年も賢くふるさと納税を活用しよう
お子様のアルバイト収入が103万円を超え、扶養から外れることは、ご家庭にとって新たな変化の兆しです。この変化に気づき、税金面で正しく対応することで、安心してふるさと納税を継続し、家計の節税効果を最大化できます。
本記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 扶養判定は年末時点: 年の途中で103万円を超過した場合でも、扶養の判定は12月31日時点の状況で行われます。超過が確定した時点で、その年の扶養からは外れると認識しましょう。
- シミュレーターの扶養情報を修正: ふるさと納税サイトの詳細シミュレーターで、扶養親族の人数を1人減らすなど、扶養情報を正確に更新して再計算を行ってください。
- 控除上限額を再計算: 扶養が外れることで、あなたのふるさと納税控除上限額は減少します。必ず正確な金額を把握し直しましょう。
- 年末調整・確定申告で申告: 会社員の方は年末調整の「扶養控除等申告書」で、自営業者の方は確定申告で、扶養親族の情報を正しく申告し直すことが必須です。
控除上限額を超えて寄付をしてしまうと、その分は自己負担となってしまい、ふるさと納税のメリットが薄れてしまいます。正確なシミュレーションと適切な手続きこそが、賢くふるさと納税を活用する鍵です。
まずは源泉徴収票を片手に、シミュレーターで扶養情報を更新してみましょう。
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