ふるさと納税の確定申告が期限後?5年以内の手続きで控除は可能です

ふるさと納税の確定申告、期限が過ぎてしまって焦っている方もご安心ください。結論から言えば、確定申告の期限を過ぎてしまっても、ふるさと納税の寄付金控除は5年以内であれば受けられます。

「もう間に合わない…」と諦める必要はありません。本記事では、確定申告の期限に間に合わなかった場合でも、ふるさと納税の控除を確実に受けるための具体的な手続き方法を、あなたの状況に合わせて徹底解説します。

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結論:確定申告の期限後でも、ふるさと納税の控除は5年以内なら可能

確定申告の期限である3月15日を過ぎてしまっても、ふるさと納税の寄付金控除を諦める必要は一切ありません。なぜなら、日本の税法には、期限後でも納税者の権利として控除の申請を受け付けるための制度が設けられているからです。

具体的には、期限後5年以内であれば、以下のいずれかの手続きを行うことで控除の申請が可能です。

  • 「還付申告」:主に、元々確定申告の義務がない会社員などが、払いすぎた税金の還付を受けるための手続き。
  • 「更正の請求」:主に、元々確定申告の義務がある自営業者などが、一度提出した確定申告書の内容を訂正し、税金の還付を求めるための手続き。

あなたの状況に応じて、どちらの手続きが必要かを確認し、正しい方法で進めることが重要です。本記事では、それぞれの制度や具体的な手続きのやり方を詳しく解説していきます。

なぜ間に合う?期限後に控除を申請できる2つの制度的根拠

確定申告の期限が過ぎても控除が受けられるのは、日本の税法が納税者の権利を保護しているためです。具体的には、以下の2つの制度的根拠があります。

  1. 納税者の権利としての修正・申告制度:
    税法では、納税者が自身の申告内容に誤りがあった場合や、申告すべき控除を忘れていた場合に、それを修正・申告する機会が保障されています。これにより、公平な納税が実現されるとともに、納税者が不利になることを防いでいます。

  2. 還付申告と更正の請求の法的期間:

    • 【パターン1】元々確定申告義務がない人(会社員など):「還付申告」を利用
      給与所得者など、年末調整で納税が完了している会社員は、そもそも確定申告の義務がありません。このような人が医療費控除やふるさと納税の寄付金控除などで税金の還付を受けるための手続きが「還付申告」です。還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から5年間、いつでも提出が可能です。そのため、確定申告の期限である3月15日を過ぎていても、5年以内であれば問題なく手続きを進めることができます。

    • 【パターン2】元々確定申告義務がある人(自営業者など):「更正の請求」を利用
      個人事業主や不動産所得があるなど、元々確定申告の義務がある人が、一度提出した確定申告書の内容に誤りがあったり、控除の適用を忘れていたりした場合に利用するのが「更正の請求」です。これは、法定申告期限から5年以内に行うことができ、提出済みの申告内容を訂正して、税金の還付を求める手続きです。

これらの制度により、確定申告の期限に間に合わなくても、一定期間内であれば正当な控除を受けることが可能となっています。

【状況別】期限後にふるさと納税の控除を受けるための全手順

ここでは、あなたの状況に合わせて、期限後にふるさと納税の控除を受けるための具体的な手順を解説します。e-Tax(オンライン)と税務署(書面)での手続き方法についても触れます。

A:確定申告義務がない会社員等の場合(還付申告)

主に会社員で、年末調整で納税が完結している方が該当します。ふるさと納税の控除漏れは「還付申告」で対応します。

還付申告の基本的な流れ

  1. 必要書類の準備:

    • 寄附金受領証明書:ふるさと納税を行った自治体から発行されるものです。
    • 源泉徴収票:会社から発行される、その年の所得と納税額が記載された書類です。
    • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類(運転免許証など)。
    • 還付申告書:国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。
    • 還付金振込先の銀行口座情報(本人名義のもの)。
    • (その他、医療費控除など他の控除も申告する場合は、それらの証明書類)
  2. 申告書の作成:

    • e-Tax(オンライン): 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が便利です。画面の指示に従って入力していけば、自動で申告書が作成されます。ふるさと納税の寄付金額を入力する際は、寄附金受領証明書の内容を正確に入力してください。
    • 書面(税務署): 手書きまたはパソコンで作成し、印刷した申告書を税務署に提出します。
  3. 申告書の提出:

    • e-Taxの場合、作成したデータをインターネットを通じて送信します。
    • 書面の場合、管轄の税務署に直接提出するか、郵送で提出します。
  4. 還付金の受け取り:
    申告書提出後、通常1〜2ヶ月程度で指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。

B:確定申告義務がある自営業者等の場合(更正の請求)

個人事業主など、元々確定申告の義務がある方が、提出済みの確定申告書にふるさと納税の控除を追加する場合が該当します。

更正の請求の基本的な流れ

  1. 必要書類の準備:

    • 確定申告書の控え:すでに提出した確定申告書(所得税青色申告決算書や収支内訳書なども含む)。
    • 寄附金受領証明書:ふるさと納税を行った自治体から発行されるもの。
    • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類。
    • 更正の請求書:国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。請求書には、当初の申告内容と、正しい申告内容(ふるさと納税の控除を追加したもの)を記載します。
    • (その他、他の控除も申請する場合は、それらの証明書類)
  2. 更正の請求書の作成:

    • e-Tax(オンライン): 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を利用します。指示に従って入力し、当初申告した内容と修正後の内容を比較しながら作成します。
    • 書面(税務署): 手書きまたはパソコンで作成し、印刷した更正の請求書に、当初の申告額と修正後の申告額、その理由などを具体的に記載します。
  3. 更正の請求書の提出:

    • e-Taxの場合、作成したデータをインターネットを通じて送信します。
    • 書面の場合、管轄の税務署に直接提出するか、郵送で提出します。当初の確定申告書を提出した税務署と、更正の請求書を提出する税務署は同じです。
  4. 還付金の受け取り:
    請求が認められれば、後日指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。還付金の振り込みまでには、通常1〜2ヶ月程度かかります。

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ワンスロップ特例の申請忘れ・期限切れも確定申告で対応可能

「ワンストップ特例制度の申請期限(寄付翌年の1月10日)に間に合わなかった!」と焦っている方もいるかもしれませんが、ご安心ください。ワンストップ特例の申請を忘れてしまったり、期限を過ぎてしまったりした場合でも、ふるさと納税の控除が受けられなくなるわけではありません。

この場合、改めて確定申告(還付申告)を行うことで、ふるさと納税の寄付金控除を問題なく受けることができます。
必要な手順は、前章「A:確定申告義務がない会社員等の場合(還付申告)」で解説した内容と全く同じです。寄附金受領証明書を準備し、確定申告書を作成して税務署に提出(またはe-Taxで送信)すれば、寄付金控除が適用されます。

ワンストップ特例はあくまで簡略化された手続きであり、確定申告が原則であることを覚えておきましょう。

期限後申告の注意点とよくある質問(Q&A)

期限後の手続きについて、よくある疑問と注意点をまとめました。

Q1:期限後に申告するとペナルティ(延滞税など)は発生する?

A1:いいえ、原則としてペナルティは発生しません。
ふるさと納税の控除を追記する「還付申告」や、所得税の還付を求める「更正の請求」は、追加の納税額が発生しない手続きです。そのため、延滞税や無申告加算税といったペナルティは発生しないのが一般的です。
ただし、もしふるさと納税の控除とは別に、本来納めるべき税金があったにもかかわらず申告していなかった場合は、その分のペナルティが発生する可能性があります。

Q2:寄附金受領証明書を紛失した場合はどうすればいい?

A2:寄付先の自治体に再発行を依頼してください。
寄附金受領証明書は、控除申請に必須の書類です。紛失してしまった場合は、速やかに寄付を行った自治体に連絡し、再発行を依頼しましょう。多くの自治体で再発行に対応してくれます。
また、ふるさと納税ポータルサイトによっては、寄付履歴がマイページで確認できたり、電子証明書が発行できたりする場合もありますので、そちらも確認してみると良いでしょう。

Q3:医療費控除など、他の控除の申告漏れも一緒に申請できる?

A3:はい、可能です。
還付申告や更正の請求の際に、ふるさと納税の控除だけでなく、医療費控除や生命保険料控除、iDeCoの掛金控除など、他に申告し忘れていた控除もまとめて申請・請求することができます。この機会に、他に漏れている控除がないか確認してみることをお勧めします。

Q4:e-Taxでの手続きは難しい?

A4:いいえ、初めてでも比較的簡単に手続きできます。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は、画面の指示に従って必要な情報を入力していくだけで、自動的に申告書が作成されるように設計されています。質問に答える形式で進められるため、税金の知識があまりなくても直感的に操作できます。マイナンバーカードとスマートフォン(またはカードリーダー)があれば、自宅からPCで手軽に提出可能です。

まとめ:焦らず5年以内に正しい手続きを行えば控除は全額受けられる

ふるさと納税の確定申告の期限に間に合わなかったとしても、決して焦る必要はありません。日本の税法では、期限後でも納税者の権利として控除を受けるための道筋が用意されています。

  • 5年以内であれば、ふるさと納税の控除申請は可能です。
  • 会社員など確定申告義務がない人は「還付申告」を、自営業者など義務がある人は「更正の請求」という手続きを行います。
  • ワンストップ特例の申請を忘れてしまっても、確定申告で対応できます。
  • 期限後の申告でも、追加の納税が発生しない限り、ペナルティは原則としてありません。

必要な書類(寄附金受領証明書、源泉徴収票など)を準備し、自身の状況に合った手順で、冷静に手続きを進めることが重要です。


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