大規模災害によって被災し、仮設住宅などで避難生活を送られている方にとって、ふるさと納税の控除手続きは複雑に感じられるかもしれません。特に「住民票の住所は、被災前の住所と仮設住宅の住所のどちらを記載すべきか？」という疑問は多くの方が抱くものです。
もし住所の記載を間違えてしまうと、せっかく行った寄付に対する税金の控除が正しく受けられない可能性があります。
結論からお伝えすると、ふるさと納税の控除に必要な住所は「寄付した翌年の1月1日（賦課期日）に住民票がある住所」です。
本記事では、この結論に至る法的根拠から、あなたの状況に応じた具体的な住所の記載方法、さらには手続き上の注意点までを網羅的に解説します。正確な情報を理解し、安心してふるさと納税を行っていただければ幸いです。
結論：ふるさと納税で記載すべきは「翌年1月1日時点の住民票住所」
ふるさと納税による税控除は、主に住民税から行われます。この住民税は、その年の1月1日（賦課期日）時点に住民票がある自治体によって課税される仕組みです。
したがって、あなたがふるさと納税で寄付を行った場合、その寄付情報が控除を受けるべき自治体（つまり、寄付の翌年1月1日に住民票がある自治体）へ正しく通知される必要があります。この通知が正しく行われないと、適切な税控除が受けられなくなる可能性があるため、「翌年1月1日時点の住民票住所」を記載することが法的根拠に基づいて求められるのです。
▲ イメージ図: Flowchart showing the process of Furusato Nozei from donation to resident tax deduction, highlighting the importance of the resident registration address on January 1st of the following year. The flowchart should clearly illustrate that the resident tax is determined by the address on January 1st of the year following the donation, and this is the address to be used for all related applications to ensure proper tax relief.
状況別｜住民票を移した場合・移していない場合の正しい記載住所
あなたの現在の状況に合わせて、ふるさと納税で記載すべき住所を確認することが重要です。ポイントは、あくまで「書類手続き上の住民票の所在地」が基準となる点です。
▲ イメージ図: Comparison table illustrating two scenarios for Furusato Nozei address declaration during disaster evacuation: ‘Resident registration moved to temporary housing’ and ‘Resident registration remains at pre-disaster address’. Each scenario should clearly state the correct address to be used for Furusato Nozei applications, emphasizing that the declared address must match the official resident registration.
【ケース1】仮設住宅に住民票を移した場合
仮設住宅への避難に伴い、既に住民票を仮設住宅の住所に移している場合、ふるさと納税の申込書や申請書に記載すべき住所は「仮設住宅の住所」です。
これは、翌年1月1日時点の住民票が仮設住宅の所在地にあるため、その自治体に対して寄付情報が通知される必要があるからです。
【ケース2】住民票を被災前の住所に残している場合
仮設住宅に避難しているものの、住民票はまだ被災前の住所に残している（移していない）場合、ふるさと納税の申込書や申請書に記載すべき住所は「被災前の住所」です。
この場合、翌年1月1日時点の住民票が被災前の住所にあるため、その自治体に対して寄付情報が通知されることになります。
手続き別｜正しい住所の書き方と注意点
ふるさと納税の手続き方法によって、住所を記載する書類が異なります。
ワンストップ特例制度を利用する場合
ワンストップ特例制度を利用する際は、「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」を提出します。この申請書の「住所」欄に、翌年1月1日時点の住民票住所を記載してください。
確定申告を行う場合
確定申告を行う場合は、申告書第一表の「住所」欄に、翌年1月1日時点の住民票住所を記載します。
注意点：住所変更があった場合
寄付を申し込んだ時点と、ワンストップ特例申請書を提出する時点（または確定申告を行う時点）で、年内に住民票上の住所が変わった（引っ越した）場合は、追加の手続きが必要です。
この場合、速やかに寄付先の自治体へ連絡し、申請事項変更届出書を提出しなければなりません。変更届出書には、変更後の新しい住所を記載します。
返礼品の送付先について
ふるさと納税の返礼品は、住民票の住所と異なる住所（例えば、仮設住宅の住所）を指定して受け取ることが可能です。多くのふるさと納税サイトで、寄付者情報とは別に送付先住所を指定できる欄がありますので、そちらにご希望の住所を記載してください。
ふるさと納税の住所に関するQ&A
Q1. 申込時に住所を間違えてしまったら？
A1. 申込時に誤った住所を記載してしまった場合は、速やかに寄付先の自治体へ連絡し、修正を依頼してください。適切な手続きを行うことで、控除が正しく受けられるようになります。
Q2. 住民票自体を移すべきか迷っています。
A2. 住民票を仮設住宅に移すかどうかは、ふるさと納税の控除だけでなく、健康保険、選挙、児童手当、学校関係など、各種行政サービスや手続きに影響します。一概にどちらが良いとは言えないため、ご自身の状況に合わせて、お住まいの自治体の窓口にご相談いただくことが最も重要です。
Q3. 避難していることの証明書は必要ですか？
A3. ふるさと納税の手続き自体に、り災証明書や避難証明書などの提出は原則として不要です。必要なのは、寄付情報と、翌年1月1日時点の住民票情報が一致していることです。
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まとめ：災害時のふるさと納税は「翌年1月1日の住民票」がカギ
大規模災害で仮設住宅等に避難している場合でも、ふるさと納税の住所記載ルールは通常時と変わりません。
- 記載すべき住所は、一貫して「寄付の翌年1月1日時点の住民票住所」です。
- あなたが住民票を仮設住宅に移したのか、元の被災前の住所のままにしているのかによって、記載する住所が決まります。
- 手続き上で不明な点があれば、自己判断せず、寄付先自治体や税務署に直接確認することが最も確実であり、安心して控除を受けるための最善策です。
この記事が、被災された皆様のふるさと納税の手続きの一助となれば幸いです。
「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか？」を徹底検証。
元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。
「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
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