はじめに:ふるさと納税の電子・紙の証明書、e-Taxでまとめて申告できます
「ふるさと納税の証明書が、一部は電子データ(XML)、残りは紙で届いて、確定申告でどう処理すればいいか分からない…」
複数自治体にふるさと納税をした方で、このような悩みを抱えている方は少なくありません。しかしご安心ください。e-Taxを使えば、電子データと紙の証明書を混合して確定申告することは可能です。
この記事では、ふるさと納税の寄付金受領証明書が電子データと紙で混在している場合でも、e-Tax(国税庁の確定申告書等作成コーナー)を利用してスムーズに確定申告を完了させるための具体的な操作手順から、見落としがちな注意点までを一つ一つ丁寧に解説します。この記事を最後まで読めば、誰でもミスなく申告を完了させ、確実に税控除を受けることができるでしょう。
準備編:e-Taxでの混合申告を始める前に必要な5つのもの
確定申告の作業をスムーズに進めるために、まずは以下の5つのアイテムを事前に準備しておきましょう。
- マイナンバーカード(電子署名付き)
- e-Taxでの電子申告には必須です。有効な電子署名用パスワードも確認しておきましょう。
- ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード読取対応のスマートフォン
- マイナンバーカードを読み取るための機器です。対応機種をご確認ください。
- パソコンおよびインターネット環境
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、作業を進めるために必要です。
- 全ての寄付金受領証明書(電子データであるXMLファイルと、紙の証明書原本)
- 電子データ(XML形式)はPCに保存し、紙の証明書は手元に揃えておきましょう。PDFファイルはXMLファイルとは異なりますので注意が必要です。
- 還付金を受け取るための本人名義の預貯金口座情報
- 還付金がある場合に備え、口座番号などを準備しておきましょう。
![準備する5つのアイテムを視覚的にまとめたイメージ画像]
実践編:電子・紙の混合申告を3ステップで完了させる全手順
それでは、国税庁「確定申告書等作成コーナー」での具体的な操作手順を3つのステップで見ていきましょう。
【Step 1】電子証明書データ(XML)のインポート
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、e-Taxで申告書を作成する流れを開始します。
- 画面の案内に従って進み、「寄付金控除」の項目を選択します。
- 「寄付金控除証明書等のXMLデータの読み込み」という選択肢が現れたら、これを選びます。
- 事前にPCに保存しておいたふるさと納税の電子的控除証明書(XMLファイル)を選択し、読み込みを実行します。
- ファイルが正常に読み込まれると、寄付先の名称、寄付年月日、寄付金額などが自動的に画面に反映されます。
【Step 2】紙の証明書の内容を手入力
- Step 1でXMLデータをインポートした後、「入力内容の確認・訂正」または同様の画面に進みます。
- 「寄付金受領証明書等の入力」を選び、紙の証明書に記載されている内容を一件ずつ手入力していきます。
- 具体的には、紙の証明書を見ながら「寄付年月日」「寄付先の名称・所在地」「寄付金額」を正確に入力してください。
- 入力が終わったら「次へ」や「入力完了」などのボタンをクリックし、保存します。
- 複数の紙の証明書がある場合は、この作業を繰り返します。
【Step 3】全データの合算確認と送信
- Step 1でインポートした電子データと、Step 2で手入力した紙のデータの両方が、寄付金控除の一覧画面に表示されていることを確認します。
- 一覧に表示されている寄付金控除額の合計が、ご自身の行ったふるさと納税の合計金額と一致しているかを最終チェックします。
- 万が一、金額が異なっている場合は、Step 1またはStep 2に戻って修正を行ってください。
- 全ての情報が正しいことを確認したら、画面の指示に従って電子署名を付与し、e-Taxで申告書を送信します。
- 送信完了後、受付完了メッセージが表示されることを確認し、必要に応じて受信通知などを保存しておきましょう。
![e-Taxの各操作画面のスクリーンショット(XMLインポート画面、手入力画面、最終確認画面など、各ステップに対応するもの)]
重要:混合申告で見落としがちな3つの注意点
電子と紙の混合申告では、特に以下の3つの点に注意が必要です。申告ミスを防ぐためにも、必ず確認しておきましょう。
注意点1:PDFは「電子証明書」ではない
ふるさと納税ポータルサイトからダウンロードできる「寄付金受領証明書」の中には、PDF形式のものも多くあります。しかし、単なるPDFファイルは、e-Taxに自動インポートできる「電子的控除証明書(XMLデータ)」とは異なります。
PDFファイルの場合は、残念ながら紙の証明書と同様に、記載内容を一件ずつ手入力する必要があります。XMLデータのように自動で反映されるわけではないので、混同しないよう注意しましょう。
注意点2:入力後の合計金額を必ず確認する
電子データ(XML)のインポートと、紙の証明書の手入力が完了したら、必ず最終的な寄付金控除の合計金額を確認してください。インポート漏れや入力ミスがあると、正しく控除が受けられません。画面に表示される合計額が、ご自身で計算したふるさと納税の総額と一致していることを、時間をかけて丁寧にチェックすることが重要です。
注意点3:紙の証明書は提出不要でも5年間の保管義務がある
e-Taxで確定申告を行う場合、寄付金受領証明書(紙)を税務署に提出する必要はありません。しかし、これは「提出が省略できる」というだけであって、「不要になる」わけではありません。税務署から後日、証明書の提示を求められる可能性があるため、申告した年の翌年の4月1日から5年間は、全ての紙の証明書原本を自宅で大切に保管しておく義務があります。 万が一に備え、紛失しないように注意しましょう。
【補足】よくある質問(FAQ)
Q1. ワンストップ特例を申請済みでも、一部が対象外で確定申告が必要になった場合は?
A. ワンストップ特例制度を申請していても、年間の寄付先が6自治体以上になった場合や、医療費控除など他の控除のために確定申告をする場合は、ワンストップ特例申請が無効になります。この場合、ワンストップ特例を申請した寄付分も含め、その年に行った全てのふるさと納税について、確定申告で改めて寄付金控除を申請し直す必要があります。
Q2. 寄付金受領証明書(紙)を紛失した場合は?
A. 寄付金受領証明書を紛失してしまった場合は、寄付先の各自治体に対して再発行を依頼する必要があります。 再発行には時間がかかる場合があるため、確定申告の期限に間に合うよう、早めに連絡することをおすすめします。
Q3. 電子証明書(XML)はどこからダウンロードできますか?
A. ふるさと納税の電子証明書(XMLデータ)は、総務大臣が指定した特定事業者(ふるさと納税ポータルサイトなど)のマイページからダウンロードできます。代表的なポータルサイトでは、以下の名称で提供されています。
- さとふる:「電子的控除証明書発行サービス」
- 楽天ふるさと納税:「ふるさと納税 寄付金控除に関する証明書(XML形式)」
- ふるなび:「寄付金控除に関する証明書(XMLデータ)」
利用したポータルサイトのヘルプページや、マイページを確認してみてください。
まとめ:手順を理解すれば電子・紙の混合申告は難しくない
ふるさと納税の寄付金受領証明書が電子データと紙で混在している場合の確定申告も、決して複雑な作業ではありません。
- 電子データ(XML)のインポート
- 紙の証明書の手入力
- 全データの合算確認と送信
この3つのステップを順番に、そして丁寧に行えば、誰でも正確に申告を完了させることができます。特に、PDFファイルはXMLデータではないことや、合計金額の確認、紙の証明書の保管義務といった注意点を押さえておけば、ミスなく安心して手続きを進められるでしょう。
ふるさと納税を検討中の方、来年の確定申告をさらに楽にしたい方は、電子的控除証明書に対応しているサイトを選ぶのがおすすめです。特に、手続きの簡単さと発送の早さが魅力の「さとふる」なら、初めての方でも安心して利用できます。
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来年からは、可能な限り「電子的控除証明書」に対応した寄付先を選ぶことで、確定申告の作業がさらに簡便になります。ぜひこの機会に、ご自身のふるさと納税スタイルを見直してみてはいかがでしょうか。
「感情論抜きで、一番安くて速いのはどこか?」を徹底検証。
元・家電量販店のスマホコーナー担当。
複雑な料金プランやキャンペーンの「裏の条件」を読み解くのが趣味です。
「なんとなく大手キャリア」で毎月損をしている人を見ると放っておけません。
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